マンションを猫向けリフォームするとき、気を付けたいことのメインイメージ

マンションを購入したら、猫向けリフォームをしようと考えている方は増えているのではないでしょうか。どのマンションでも同じように思い描いたリフォームができると思いがちですが、実はそうではないようです。

一級建築士でペットシッターのいしまるあきこさんに、マンションの猫向けリフォームで気を付けることを教えていただきました。マンション選びのご参考にもどうぞ!

猫向けリフォームをするなら、まずは「壁」をチェック

猫向けリフォームというと、キャットステップやキャットウォーク(以後、CS・CWとします)をまず思い浮かべる方が多いでしょう。CS・CWは部屋の壁際に付けることが多いため、大規模な猫リフォーム前提でマンションを探すなら壁をチェックしないといけません。

ここで、マンションの壁の種類を大きく2つに分けて簡単に紹介します。

◎加工には特に配慮が必要:戸境壁と外壁

マンションには隣の家との間にある「戸境壁(こざかいかべ)」や角部屋・バルコニーなどで屋外に面する「外壁」と呼ばれる壁があります。これらは、表に見えている壁紙などの仕上げと仕上げを貼る石膏ボードなどの下地があり、その内側に鉄筋コンクリートなどの構造体が隠れています。たいていのマンションでは構造体は共用部として扱われるため、そもそも構造体に手を付けることができなかったり、加工する場合に許可が必要だったりします。

また、タワーマンションや大規模マンションでは、鉄筋コンクリートなどの構造体ではなく、石膏ボードなどで作られた戸境壁が共用部として扱われることが増えました。基本的に共用部にあたるものは穴を開けることはできませんので、戸境壁にCS・CWを設けるなら、合板などの下地を新たに入れて壁の前にもう1枚の新たな壁を作る必要がでてきます。マンションの壁は何かを打ち付けることを前提で作られていません。戸境壁や外壁はCS・CWを付けるときに特に配慮が必要です。

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◎自由に加工しやすい:間仕切り壁

同じように見える壁でも、マンションの専有部の中で部屋と部屋の間にある「間仕切り壁」は、構造に関わらない部分であることが多く、所有者の意思である程度自由に加工できます。CS・CWの設置は、壁を部分的にやり替えて下地を入れると簡単にできます。ただし、内装工事には管理組合所定の許可や申請が必要になるので注意が必要です。

また、間仕切り壁なら、壁に穴を開けて部屋と部屋を猫が通り抜けられたり、窓などを付けて向こうの部屋から猫がこちらを見えるようにすることも可能です。

CS・CWを設けたいリビングや書斎の壁の中で、どこが「間仕切り壁」かを確認してみてください。

◎そのほかの注意したいこと

共用部の梁が戸境壁や外壁上部の構造体になっている場合もまた、注意が必要です。これも勝手に穴を開けられません。また、「PS」と図面に書いてある「パイプスペース」は水道などの管が通っているスペースで、こちらの壁にも勝手に穴を開けることはできません。

天井から吊すCWを見たことがある方もいると思います。天井自体は重いものをつり下げると落ちてしまう構造なので、そのままでCWは設置できません。これは天井裏にある備え付けの天井用下地を活用して設置しています。ただし、猫の体重やCW用の板の重さに耐えられるかどうかをよく確認する必要があります。上の階の床にあたる構造体から吊り下げることもできますが、勝手にはできません。天井を一部壊して天井裏を確認しないと分からないことが多く、リフォームとして大規模なものになりやすいので注意が必要です。

「DIYで挑戦したい」という方も中にはいるかと思いますが、そもそもDIYに不慣れだったり周りに詳しい人がいない場合は、壁には手を付けないほうがよいです。家具をうまく組み合わせたり、階段状の家具をつくったり、床と天井に突っ張る材をうまく使ってつくることをおすすめします。また、既製品はよくできたものが多いです。自分で無理せずに、猫の安全を第一に考えて用意してください。

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猫向けリフォームはマンションのルールと壁などの種類によってどこまで何ができるかが変わります。大規模な猫リフォームを希望するのであれば、購入を検討しているマンションの竣工時の販売図面や管理規約等をもとに、購入前からマンションに詳しいリフォーム業者や猫向けリフォームに対応する建築士などに相談しておくことをおすすめします。

猫に喜ばれるキャットステップとキャットウォーク

CS・CWはすべての猫に必要ではありません。猫が高いところに上るのは、身の安全を確保したいとき、他の猫や人から距離を取りたいときがほとんどです。地面にいる獲物を狙うハンターとしての本能も多少ありますが、いまの住まいや一緒に過ごす猫や人に対して安心していたら、わざわざ上に上る必要はないのです。そのため、既製品のキャットタワーなどを使わない猫は、リフォームでCS・CWを作ったとしても使わない可能性は高いです。またマンションでは、多頭飼いだからCS・CWが必要ということも少ないでしょう。そもそも3匹以上の猫と暮らせるマンションはごくわずかしかありません。

とくにマンチカンやスコティッシュフォールドなどの短足であったり関節疾患の好発猫種は、高いところが苦手でステップの上り下りで足腰を痛めることが多いです。また、12歳以上の中高齢猫・老猫は足腰が弱く、よろけたり上り下りが難しくなったりするためケガをする可能性が高くなります。猫種や年齢によってはCS・CWの導入は避けたほうが良いでしょう。

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関節疾患好発種のスコは、高いところが苦手。↑トルドリくん(ペットフォトより)

高いところに猫が籠れる場所があると、1匹であっても居心地が良くて下りてこなくなり、猫と人の心が離れてしまうこともあります。せっかく作っても、人が寂しい思いをしては本末転倒です。リフォームでCS・CWを作ることが「うちの子に本当に必要かどうか」、いま一度よく考えてみてください。

CS・CWを設置するなら、人がよく過ごしているリビングや書斎などがおすすめです。猫にとって「みんなと過ごす場所」「人間を観察できる場所」と認識されて使われやすいからです。

寝室はCWなどからベッドに向けて猫が飛び降りてきて、人間が怪我をする可能性が高いのでやめましょう。また、キッチンも火があって危険ですし、猫毛が舞って衛生面で問題があるためやめましょう。

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マンションだから気をつけたい、床材リフォームのこと

マンション管理組合の規約には、床材のリフォームを制限したものがあります。例えば、上下階で音が響かないように、使用する床材の遮音性能などが定められています。

ペットにやさしい無垢材のフローリング、クッションフロアやタイルなどを導入したくても、遮音性能が低いために採用できないことがあります。特に鉄筋コンクリートなどの躯体への床材の直貼りは難しく、二重床にする必要がでてくることがあります。二重床にすると床の高さが上がるため、既存扉が当たって開閉できなくなってしまうなどの問題も発生します。

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猫にやさしい床材がNGなことも?

築年数が古いマンションでは、鉄筋コンクリートの躯体にカーペットを直貼りしている物件があります。このような物件では、新しく床材を張り替えたいと思ってもカーペットしか認められていない場合があるのでご注意ください。

また、ロールタイプのカーペットは1枚ずつ取り外しできるタイルカーペットとは違い、汚れを取るときに苦労します。吐き癖のある猫がいる場合はあまり向きません。

カーペットは猫毛が飛び散らないのがメリットですが、代わりに、猫毛が絡みつくため掃除をまめにする必要があります。散らばった猫毛には猫アレルギーの原因である猫の唾液が多く付いています。猫アレルギー予防のためにも、猫毛のお掃除は非常に重要になります。

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猫も人も楽になる、猫トイレスペースのつくり方

気密性の高いマンションではニオイが籠りやすいため、猫トイレの置き場所は「空気の流れ」を意識して考えます。マンションの住まいで猫トイレの理想的な置き場所は、洗面室と人間用のトイレスペースです。それらが難しい場合は隣の部屋も候補になります。住まいの中で猫トイレを端に追いやると、お世話がまめにできないため、ほどよく人の目にふれる場所であることも大切です。

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マンションの猫向けリフォーム。東京都Hさま邸。洗面室・トイレにとった猫トイレ置き場。設計:ねこのいえ設計室(主宰いしまるあきこ)

マンションでは換気のための給気口はバルコニーなどの外部に面する外壁に、排気口は浴室・洗面室・トイレに設けられていることが多いため、空気の流れの風下にあるそれらの水回りやその近くに猫トイレを置くことで、嫌なニオイが家全体に広がらないようにします。

2003年7月以降に竣工したマンションには、窓を閉め切っていても一定量の換気が行われる「24時間換気」が設けられています。これは機械的に排気口から空気を排出することで給気口から外気を取り入れ、室内が換気される仕組みです。

以上から「空気の流れ」を意識して、猫向けリフォームで猫トイレ置き場を用意してみましょう。おすすめは以下3か所です。

◎洗面室

洗面室に猫トイレを置くなら、洗面台の下や収納の下部を利用すると良いでしょう。洗面カウンターや収納の棚板などの下は、床から600ミリ程度あけておくと、スマート猫トイレや上から入る猫トイレを含めた一般的な猫トイレは使えます。ただし、自動洗浄トイレは高さが800ミリ程度あるため、洗面台の下に置くのは難しいでしょう。

◎トイレスペース

トイレスペースの広さや形を変更可能な場合は、隣の部屋に飛び出した形にしたり、トイレスペースを全体的に大きくとって猫トイレ置き場を確保すると良いでしょう。とくに猫の排泄物や水に流せる猫砂を人間用トイレに流すご家庭では、トイレのすぐそばに猫トイレがあることでお世話がとても楽になります。

◎洗面室やトイレの隣室

洗面室やトイレといった水回りのリフォームで、面積を大きくとるために壁の位置を変えたり、洗面台を入れ替えたりすると、リフォームの規模が大きくなります。費用や工期を抑えたい場合は、洗面室やトイレの隣の部屋に猫トイレ置き場を設けるのをおすすめします。

猫トイレを置こうとする場所の壁に通気口を設け、隣の洗面室やトイレに空気が流れるようにします。猫トイレに面してできるだけ下のほうに通気口を設けるとよいです。ただし、穴を開ける反対側の部屋の配管や機器類などがあたらないように配慮が必要です。

 

マンションを猫向けリフォームするときに気をつけていただきたい内容をお伝えしました。ご予算やかけられる工期などをふまえつつ、猫向けリフォームに向いたマンションを検討しても良いのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

ペットホームウェブ編集部 中根
ペットホームウェブ編集部 中根 さん

友人宅で生まれたキジトラの♀猫を生後2か月で養子に迎えてから早17年。猫の飼育では、避妊手術の時期の遅れから乳腺腫瘍を発症させてしまったことを海より深く反省。犬の飼育では、実家の3代目の犬が子犬だった頃に「ワッ!」と驚かせて嫌われてしまったのを後悔している。趣味は映画鑑賞ときどきライブ。

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