猫と暮らす人が知っておきたいマンションの選び方のメインイメージ

1~2匹の猫と暮らしている人が家を買うときは「マンション」も選択肢に入ります。ペット可で猫と暮らせるマンションなら、どのマンションを選んでも同じでしょうか?

そこで今回は一級建築士でペットシッターのいしまるあきこさんに、「猫と一緒に暮らす」という視点で分譲マンションの選び方を教えていただきました。

猫は「完全室内飼育」。だから、猫視点でマンションを選ぶ

近年、猫の飼育は「完全室内飼育」が推奨されています。猫を屋外に出すと交通事故や猫同士の接触で伝染病にかかるリスクが非常に高く、また屋外にいる猫は動物虐待者の標的になることが多々あります。

分譲マンションで暮らす猫のほぼ100%が「完全室内飼育」です。

「完全室内飼育」というのは、通院などの必要なとき以外は猫を家の中だけで飼育することを指します。なかには、旅行に連れて行ったりリードを付けて散歩したりするご家庭もありますが、基本的には猫は環境の変化に弱いため、通院以外などでは猫を屋外に出さない暮らし方が多くなります。

猫と暮らす マンション

お散歩する猫はかなり少数派

また、マンションで猫がひとりで外に出かけるといっても廊下やベランダから出ることになるので安全に出かけること自体が難しく、マンションの管理規約やペット飼育細則で猫の屋内外の出入りを禁止しているところもあります。

猫と一緒に暮らすことが前提でマンションを選ぶとき「どこでもあまり変わらない」と考える方は多いかもしれませんが、猫にとっては大きく違います。

「完全室内飼育」の猫にとって、購入するマンション専有部が「一生暮らす世界」となるので、猫視点での住まい選びが重要です。家の中にずっといる猫にとって快適な住まいになるよう、マンション選びで気をつけるポイントを見ていきましょう。

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猫と暮らすマンションの方角は、南向きと東向きがおすすめ

様々なマンションがありますが、室温や日当たりといった基本的な快適性を考えるときに気をつけたいのが、マンションの方角です。猫と暮らすマンション選びでおすすめの方角は「南向き」と「東向き」です。

各方角のポイントと注意点を見てみましょう。

【おすすめ】南向きの物件

南向きは日当たりが良くて猫が日向ぼっこしやすく、猫がいなくても好む人が多いため一番の選択肢になるでしょう。

注意点としては、日がよく当たるところで猫が寝入ってしまうと、家の中でも熱中症になってしまうほか、白い毛の部分は紫外線の影響を受けやすいために皮膚病になってしまうことがある点です。

日当たりが良い場所とは別に寝床を用意し、季節や時間帯によってはカーテンなどで遮光してあげましょう。

猫と暮らす マンション

レースの遮熱カーテンもおすすめ

【おすすめ】東向きの物件

東向きはバランスが良くおすすめです。日の出とともに家の中が明るくなり正午頃まで日当たりもよく、その後は太陽が照りつけすぎずに家の中が暑くなりにくいので、熱中症にもなりにくいです。

注意点は猫の生活リズムへの影響です。もともと猫は日の出・日の入りごろにネズミなどを狩って食べてきた習性を持つため、猫の起床時間は日の出時間に影響を受けます。

東向きはその影響が出やすいので、遅めに起床する生活スタイルの人は東向きを避けたほうが良いかもしれません。

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【要注意】北向きの物件

北向きは日当たりを気にする人は避けがちですが、直射日光が入ることはないものの、一定の光が入るため思っているよりは暗くありません。日が当たらないので、性能が高い新しい窓サッシを使っていないと特に窓際から冷えることに注意が必要です。

サッシはマンションでは共用部として扱われますので勝手に交換はできません。ただ、内窓などを追加して対応することは可能です。

北向きだけではなく東向きの窓もある角部屋なら東向きの利点も得られるので選択肢として考えても良いでしょう。

【避けるべき】西向きの物件

避けてほしいのは西向きです。一日中家にいる猫にとって、昼から夕方にかけて強い西日が差し込む家の中は、まぶしさだけではなく強い日射と午後の高い外気温によって家全体が暑くなり不快です。

家の中を快適に保つのが難しく、冬以外は光熱費が高くなります。

周囲に背の高い建物があると影になり、南向きでも必ずしも日当たりが良いわけではありません。東向きなら午前中、南向きなら昼ごろをめどに内見して、日当たりの雰囲気を掴んでおきましょう。

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階数は2階から5階までがベター

マンションは高い階数に住むことを醍醐味の1つと考える方もいますが、猫視点では2階から5階程度までの低層階をおすすめします。

おすすめポイント1:外の景色

低層階をおすすめする1つ目の理由は、窓から見えるものへの影響です。猫は静止している物を見る静止視力は弱く、動いている物をみる動体視力が優れています。普段はぼんやりとしか世界が見えておらず、そこに現れる「動くもの」だけがよく見えると言われています。

そのため、窓から動くものが見えることは、猫にとって視覚の良い刺激となります。高層階では窓から鳥などの生き物が見えることはほとんど無く、雲のゆっくりした動きといったほぼ変わらない風景だけです。そのため、動く物が見えやすい低層階がおすすめです。

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低層階の中で1階をおすすめしないのは、猫のなわばり意識が関係しています。外で暮らす猫が1階の家の中で暮らす猫の視界に入ると、家の中の猫がなわばりを守るために、マーキングとして窓周辺に爪とぎやスプレーと呼ばれる濃いオシッコをしてしまうことがあるからです。

地域にどれくらい外猫が暮らしているのか、外猫に「うちの子」がどれくらい影響を受けるかは住んでみないとなかなか分かりません。猫のなわばり意識に対する問題行動に対処するのは大変ですので、新たにマンションを購入するのであれば1階は避けたほうがよいでしょう。

おすすめポイント2:防災

低層階をおすすめする2つ目の理由は、防災の観点からです。

地震や大雨などの災害時にマンションのエレベータや水道が止まってしまった場合、自宅待機するにせよ避難するにせよ、外との行き来は階段の上り下りになります。

キャリーケースに猫を入れて階段を下ったり、猫の砂やごはんといった重いものを持って上ったりすることもあるでしょう。いざというときのことを考えれば、低層階に住むほうが安心です。

ただし、2階や3階であっても、水害時の浸水高さに達する場合がありますので、マンションが建つ場所のハザードマップをよく確認して階数を検討しましょう。

浸水するエリアや階数の部屋は周辺相場よりも価格が安くなっていることが多い、ということを参考に、リスクをよく理解した上で購入を検討してください。

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窓から動くものが見えるかをチェックする

家の中だけで暮らす猫にとって、窓から楽しい外の刺激を得られるどうかは重要です。猫は止まっているものはあまりよく見えず、動いているものはよく見えるという視覚の特徴があることを念頭に、窓から見えるものをチェックします。

例えば「近くの樹木に鳥が遊びに来ているか」「マンションエントランスまでのアプローチを歩く人が見えるか」「土手を走る自転車や人が見えるか」など、動くものが見えるかどうかです。

猫と暮らす マンション

むむ、怪しいやつが来た⁉

さらに欲を言えば、縦格子などで脱走防止をしっかりした上で、窓を開けて外の様々なにおいを嗅ぎ、音を聞くことができるようにすると、猫にとってさらに良い刺激になります。

猫は嗅覚と聴覚が大変優れた動物のため、土や雨、鳥や植物のにおいなどを嗅いだり、人の話声や物音などを聞いたりすることがよい刺激になります。

バルコニー側の窓だけではなく、たとえ日当たりが悪くても廊下側の窓は音やにおいを楽しむことができます。

ただし、車のクラクションや花火の爆音など、あまりに大きな突発的な音は猫がこわがってトラウマになりやすいので避けましょう。

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間取りは、部屋数と扉の位置をみる

猫は「いま過ごす場所」を、複数の居場所の中から、自身の気分やそこにいる他の猫や人との相性、時間帯・室温などの条件から判断して選びます。

1匹飼いや仲の良い2匹同士にはあまり関係ないものの、仲があまり良くなかったり悪かったりする猫が2匹以上いる場合は、それぞれに居場所が必要となります。

同じ面積のマンションなら、大きなワンルームよりは細かく部屋が分かれていたほうがよいでしょう。例えば2匹なら1LDKよりも2LDKや3LDKなどと、部屋数が多いほうが猫のなわばりが分けやすくなります。

部屋数が同じ2つのマンションを比較する場合は、猫が自由に行き来できる範囲を考えながら扉と部屋の位置で検討します。

例えば脱走したがる猫がいる場合、玄関・廊下とLDKの間の扉で脱走防止をしますが、その扉よりも先の玄関・廊下に猫を行かせないなら、玄関・廊下からしか入れない部屋は猫が使えなくなります。つまり、猫にとっては「存在しない部屋」があるわけです。

猫と暮らす マンション

このお部屋は入っていい?

3LDKの家でも猫が入れない部屋が1部屋あったら猫にとっては2LDK、入れない部屋が2部屋あったら猫にとっては1LDKと同じことです。猫にいたずらされたくない物などを置く部屋として、あえて、猫が行けない場所に人間しか使わない部屋を確保する考え方もあります。

扉の位置によって猫が自由に出入りできる範囲が変わり、猫にとっての部屋数や広さが変わることを意識して間取りを見てください。

開けられたくない扉は、下記のように猫に勝手に入られないように対処しましょう。

開戸:ドアノブを握り玉に替える。扉上部に両面から操作できる錠を付ける。
引戸:錠を付ける。戸と戸の間や戸と壁の間にはさみこむ簡易ロックなどを付ける。

猫視点のマンション選びは人にもいい!

以上が分譲マンションを選ぶ際の猫視点でのポイントでした。猫視点とはいっても、猫にとっても人にとっても快適で、あなたやご家族の猫に関する心配事を確実に減らすことになります。人間にとってもいい結果になるでしょう。

ぜひ、ご自身のライフスタイルや使い勝手にこの猫視点のマンション選びを重ね合わせて、猫と暮らす分譲マンション選びにお役立てください。

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この記事を書いた人

ペットホームウェブ編集部 中根
ペットホームウェブ編集部 中根 さん

友人宅で生まれたキジトラの♀猫を生後2か月で養子に迎えてから早17年。猫の飼育では、避妊手術の時期の遅れから乳腺腫瘍を発症させてしまったことを海より深く反省。犬の飼育では、実家の3代目の犬が子犬だった頃に「ワッ!」と驚かせて嫌われてしまったのを後悔している。趣味は映画鑑賞ときどきライブ。

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