(株)ムサシシステム:ペット共生マンション企画管理「どのように管理していくか、というノウハウが重要です」のメインイメージ

今回取材させていただいたのは、埼玉県越谷市を中心に、20年以上にわたり多くのペット可賃貸マンション・アパートの企画・管理を行っている株式会社ムサシシステム様です。

ペットと住めるお部屋を作る側に立つことで見えてきた、ペット可物件・ペット共生マンションの実状、実際の企画と物件管理のためのノウハウなどについてお話を伺いました。

ペット共生マンション・ペット可物件関連の業務についてお教えください。

鈴木:ペットに関連して当社が手掛けている物件には2種類があります。一つはペット飼育の設備を整え、犬や猫等のペットを専門に飼えるようにしてあるペット共生型の物件。もう一つはオーナー様と入居者様のご理解をいただいて、後からペットの飼育を許可したペット可物件です。現在、合計でおよそ800世帯を管理物件として扱っています。

入居者様の募集にあたっては、事前に面接をしたり、規約書を取ったりして、きちっと当社が定めた一連のルールに同意していただくことが入居の条件である旨をお伝えします。入居した後についても、定められているルールを守っていただくようお願いし、万が一、守っていただけない場合にはペットが飼えなくなることもある、ということを規約の中ですべて取り決めるなど、入居者様の快適な生活を守っていくために決まり事を明確にすることを心がけています。

ペット可物件の受注を受ける際の流れはどのようなものですか?

鈴木:当社の場合、地元の地主様からの紹介が一番多いです。不動産業に25年以上携わってきたことから、特にご信頼をいただいております。

また、物件のオーナー様から現状の物件の入居状況が芳しくないということで、ペット可に変えてほしいという依頼を受けることもあります。しかし、ペット可にすればなんでも成功するという訳ではありませんから、オーナー様には建物にお金をかけていただくというよりも、まず当社のやり方にご理解・ご協力をいただいてから進めることが多いです。

例えば、ある物件の空室率が50%近くになってしまっており、銀行との関係も難しい状態になっていた案件を受け持ったことがあります。当社で、オーナー様と相談して賃料を抑えていただいたり、銀行とのやりとりなどを含めたコンサルティングを行い、3ヵ月で満室の状態まで回復させることができました。オーナー様には賃料を下げていただくことになりましたが、空室にしておくよりはずっと良いですし、その後の経営に繋げるという観点でも良い結果を得ることができました。

ペット共生マンション、ペット可物件の企画についてお聞かせください。

鈴木:当社ではペット共生マンションを企画する場合、建物の建設段階から携わります。部屋の内装についても、クロスを90cmの高さや腰上腰下で分けたり、くぐり抜けドアをこの位置につけたりといったノウハウを培っており、特に有用なものについては実用新案(※)として取得しながら、ペット共生マンションの企画を行い、物件を増やしています。

後からペット可物件への転換を検討する場合、たいていは物件の入居率が落ちている状態であることが多く、そこから、さらにペット用の設備を作るというのはオーナー様にとって大きな負担になってしまうことが多いですから、あまり後からペット共生型の設備に変更することはありません。

もし、「ペット可物件という形式をこれからメインに据えるので設備にお金をかけても良い」というオーナー様であれば、通常のドアをくぐり抜けのドアに取り替えるなどといった小規模なことから変更の提案をさせていただきます。

ドアをとりつける場合は廊下からリビングの入り口にとりつける場合が多いです。または、当社のペット共生物件の場合、お部屋毎に専用のトリミング室がついている物件が多いので、そういったトリミング室に繋がるドアはくぐり抜けドアにしています。

※実用新案(権)・・・特許庁が所管する知的財産権の一種。特に、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の4つを「産業財産権」といい、新しい技術、新しいデザイン、ネーミングなどについて独占権を与え、模倣防止のために保護し、研究開発へのインセンティブを付与したり、取引上の信用を維持することによって、産業の発展を図ることを目的にしている。これらの権利は、特許庁に出願し登録されることによって、一定期間、独占的に実施(使用)できる権利となる。(特許庁 産業財産権について

既存の物件を後からペット可に切り替えるケースについてお聞かせください。

鈴木:どうしても建物が古くなってきますと、新たに入居していただことが難しくなってきます。最近は、インターネットの検索などで築年数で絞り込む方もいらっしゃいますから、そもそも物件が検索されづらくなってしまったりするのですね。そういった古くなってきた物件に付加価値をつけるため、ということでペット可物件への転換を提案させていただいています。

すでに入居者様がいらっしゃる場合には、きちんと通知を行います。「保証人をつけた上で、入居者様にご迷惑はかけないよう、当社がきちんと管理を行う」ということと、「もし現在ペットを飼っていない方が、新たにペットを飼いたいという場合には、全ての入居者様が同じ条件で飼うことができる」ということをお知らせします。

残念ながら、ペットの飼育には難色を示される入居者様がいらっしゃるケースもあります。一人でもペットの飼育に同意をいただけない方がいらっしゃいますと、契約上、ペット可物件にすることが難しいので、契約内容を変更する方向で交渉を行うことになります。例えば、ペットの飼育に同意していただく代わりに、賃料の条件を変更いたします、などといった具合です。

もちろん、当社のほうでは、契約の書類についてもきちんとしたものを作っておりますし、今はペットに対しても一般的に寛容になってきている傾向にもありますから、こういった反対はごくまれにある、という程度です。

後からペット可の物件に切り替えて、新たにペットを飼うという場合は、残念ながら中型犬や大型犬を飼うのは難しい場合が多いです。基本的には小型犬一頭、猫一匹ということになります。

犬や猫によって飼育可、不可が分かれることはありますか?

鈴木:他の不動産会社ですと、小型犬のみとしているところが多いようです。当社では、猫についても、去勢・避妊済みであれば飼育可とさせていただいております。

また当社の場合、猫を飼っているお客様のご自宅に伺って、実際の飼育の様子を確認させていただいています。実際の飼育環境で、お部屋の状態を悪化させないためのしつけについてお話ししています。例えば、お部屋の柱を傷つけてしまわないための爪研ぎのしつけや、登ってクロスを破いてしまわないためのしつけについてです。お部屋の現状についても、直接拝見すれば猫がいつ頃つけた傷なのかということもある程度は分かりますから、お客様とお話しながら確認していきます。

ごくまれに、面接でカバーしきれずに漏れが出てしまうこともありますが、そういった場合には、こちらも保証人を取るなど、万が一の際の備えもしっかりと行っておりますので、猫の飼育が問題になることはほとんどありませんね。

一方で、大型犬の飼育を許可することは、やはり、難しいことが多いです。当社には、大型犬飼育可の物件も沢山ありますが、その中でも狩猟犬はご遠慮いただくことが多いですし、その他の一部の犬種ついてもご遠慮いただくことがあります。もちろん、こういった判断は個体差にもよりますし、しつけの状況によって違ってくる側面はあります。しかし、やはり大型犬には鳴き声が野太いものが多く、集合住宅では周囲への影響を与えやすいのです。

また、人や他の犬に対して吠えるとか、攻撃的な性格であったりすると飼育が難しくなります。小型犬の場合は共用の通路やエレベーターでは、だっこをしていただくといった対策もできますが、大型犬の場合はそうもいきませんから、リードを短くしっかりと持って他の方や犬に危害を加えないようにしていただかねばなりません。大型犬にとっては攻撃などするつもりはなく、単にじゃれているということであっても、小型犬を相手にすると危なかったり、他の住人の方に怖がられたりという場合もあるのです。

犬種で言えば、ラブラドールは一般的に大人しく吠えない個体が多いため、比較的飼いやすい傾向にある様です。

これは余談ですが、実は以前、当社には面接犬として飼われていたラブラドール犬がいました。このラブラドール犬は吠えない噛まない騒がないという大人しい性格だったので、お客様に飼い犬を連れて来ていただいてそのラブラドール犬と引き合わせ、他の犬と会った時の反応を見るなどといった面接を行っておりました。残念ながらもうそのラブラドール犬は亡くなってしまったのですが、現在の当社のロゴマークのシンボルとして姿が残っています。

以前は白いラブラドールが面接犬として飼われていたそうです。

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ペットホームウェブ編集部
ペットホームウェブ編集部 さん

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